2008年05月02日
リースの仕訳(貸し手)をどうしたらいいのか
どうしてかわかりませんが、貸し手の仕訳を書いてくださっている方はほとんどいないんですよね。どうせ貸し手になるのはリース会社だけだろうということで、省略しているんでしょうか。
MS法人は?
税理士や税理士法人が記帳代行会社を設立して所得を分散するように、個人開業医や医療法人もMS法人をつくって、節税を行うことがよくあります(そのため、一時期、たくさんのMS法人が作られ、現在に至ります。現在も節税になっているかといえば、そうでもなかったりしますが・・・)。
MS法人は何をしているかといえば、診療所の建物や医療機器なんかを取得して、個人開業医や医療法人に貸し出ししているわけですね。
このときも、ノンキャンセラブル要件(リース期間中、中途解約ができないなど)とフルペイアウト要件(借り手がコストをほとんど全部負担)を満たせば、法人税法上のリース取引に該当してしまう場合があるので(もちろん、該当しない場合もあるので判定に注意!)、貸し手の仕訳を考える必要があります。
また、関係会社があったりすると、普通にグループ内でリース取引っぽいものをやっていることがあるので、要件を満たさないか注意したいところです。
法人税法では、民法上の賃貸借の中で、賃貸借処理をしない取引をリース取引といっているだけなので、賃貸借契約をしていようがリース契約をしていまいが、ノンキャンセラブル要件とフルペイアウト要件を満たせば立派なリース取引なので、建物の賃貸借だって、対象となる場合があります(そのため、ノンキャンセラブル要件とフルペイアウト要件を外す場合が見られます)。
貸し手の仕訳をどうするか
貸し手については、シンプルです。
課税売上を原則的方法で一括譲渡するのはできるだけ避けたいので、法人税も消費税も、賦払金割合による延払基準で収益と費用を繰り延べていく処理がいいんでしょうね(ただし、法人税の延払基準というのは、定額法ではなく、回収期限到来基準ですが)。
他の延払基準は、利息部分が元金均等で元本部分が元利金等という収益は前倒して計上してしかも手間がかかる方法ですし、利息を20%、受取サービス料を80%とみる方法も、なんか誰かの都合のために作られたような方法(何で契約に明示されていたら、受取サービス料部分まで消費税が非課税になるの?)でわかりにくいので、採用する法人は少ないのではないでしょうか(たぶん)。
消費税については、MS法人などの関係会社だと、契約書に利息を明示することも可能となりますが、非課税売上になればハッピーかといえば、資産の貸付けを中心にしていれば、課税売上割合が下がって、95%未満になる可能性が出てきます(利息だけで95%きることはないかもしれませんが、他の非課税売上とあわせると、そうなる可能性が出てきます)。
そうすると、仕入控除税額も減ってしまうので、なんで非課税売上の多い医療行為とわけてるのか、消費税の観点からもわからなくなるので、あまりおすすめできません。何より、借り手が非課税仕入れとなります。なんかバカみたいですね・・・。
問題は、リース期間終了時
そもそもリース期間終了時なんて、何もする必要もなくて、問題にならなかったはずですが、リース取引を売買と考えてしまうと、リース資産の引渡しの時に貸し手から借り手に資産が移ってしまいます。
じゃあ、リース期間が終わったら? その答えは通達に書かれています。
法人税基本通達7−6の2−11
(リース期間の終了に伴い返還を受けた資産の取得価額)
リース期間の終了に伴い賃貸人が賃借人からそのリース取引の目的物であった資産の返還を受けた場合には、賃貸人は当該リース期間終了の時に当該資産を取得したものとする。この場合における当該資産の取得価額は、原則として、返還の時の価額による。(つづく)
つまり、貸し手が再取得するわけですね。もちろん、所有権移転リース取引なら、借り手に移ったままなので、再取得ということはありませんが、ほとんどのリース取引は、所有権移転外リース取引で最終的には貸し手に所有権がないと困るわけですから、最初に譲渡をしてしまったら、リース期間終了時には再取得をしないといけません。
しかも、その取得価額は「返還の時の価額」です。おいおい、相手勘定は「受贈益」たてるしかないじゃないか、と思わず突っ込みたくなるところです。
残価保証を設定している場合には、リース期間定額法で残存価額的な役割を果たすことから、受贈益は生じないと考えられますが、ふつうは、残価保証なんて設定していないでしょうから、受贈益なんでしょうかね。
(つづき)ただし、当該資産に係るリース契約に残価保証額の定めがある場合における当該資産の取得価額は、当該残価保証額とする。
リース期間の終了に伴い再リースをする場合についても同様とする。
(注) 残価保証額とは、リース期間終了の時にリース資産の処分価額がリース取引に係る契約において定められている保証額に満たない場合にその満たない部分の金額を当該リース取引に係る賃借人その他の者がその賃貸人に支払うこととされている場合における当該保証額をいう。
他のところへ売却したり二次リース(再リースだと賃貸借取引になる可能性大)できればいいかもしれませんが、貸し手が資産を持っていると・・・受贈益が選考して、費用計上は減価償却で先延ばしなのかなぁ。なんか変なの。
ちなみに、「再リースをする場合についても同様とする。」というのは、貸し手が再取得する部分が一緒ということです。再取得した資産を再リースするのは、また別の話ということですね。
リース期間終了時についても、誰もあまり言及してくれないので、私もよくわかりませんが、少なくとも、貸し手の取扱いは、関係ないと思って舐(な)めてたら痛い目に遭うよ、と言うのがこの記事のメッセージだったりします。
この記事は、調べ物のお役に立てましたでしょうか。
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http://taxotak.livedoor.biz/archives/50651515.html
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[2008/05/02 初投稿]


