2008年02月14日

附則は「施行期日」と「経過措置」でできている

Q. 附則とは何ですか?

A. 法律の「施行期日」と「経過措置」を定めたものです。


本則のあとにあるのが「附則」

 まず、基本的な事項ですが、所得税法等の一部を改正する法律(案)は、複数の法律の改正を行うことを目的としたものです。

 次のような構成となっています。

所得税法等の一部を改正する法律案
第1条 所得税法の一部改正
第2条 法人税法の一部改正
第3条 相続税法の一部改正
第4条 地価税法の一部改正
第5条 登録免許税法の一部改正
第6条 消費税法の一部改正
第7条 印紙税法の一部改正
第8条 租税特別措置法の一部改正

附則

 このように、各税法の一部改正を行う本則の部分と、それらの施行期日・経過措置を書いた附則にわかれています。

 改正法律案では、本則ももちろん気になるところですが、同じくらい大切なのが、附則です。

 今回は、平成20年度改正法律案の附則を読みながら、附則について考えてみることとしましょう(なお、今年度は、この法律案がそのまま通るとは限りませんので、文言等が修正される可能性は大いにあります)。

 *資料*
平成20年度:所得税法等の一部を改正する法律案[PDF]
http://www.mof.go.jp/houan/169/st200123h1721.pdf
[注] 179頁から附則1条が始まっています。タイトルの「附則」と見出しの「(施行期日)」は、178頁に書かれています。


第1条をきちんと読まないと先に進めません

 附則1条は、「本則のすべての条文」と「附則2条以降」がいつから施行されるのか(施行期日)について網羅的に定めたものです。

 したがって、どの改正税法を読むにしても、附則1条を参照することになります。また、附則2条以降を正しく理解するためにも、先に附則1条を読んでおく必要があります。

附則1条(施行期日)
 この法律は、平成20年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一〜九 省略

 ここで「この法律」とは、当然、「所得税法等の一部を改正する法律」のことですので、「所得税法等の一部を改正する法律」の施行日は、平成20年4月1日であることを表しています。

 税法の特徴として、施行期日の原則は、法律案が提出された年の4月1日となっています。


施行期日の例外に注意

 しかし、施行日が平成20年4月1日なので、何も断りがなければ施行期日は平成20年4月1日となりますが、その日に施行するわけにはいかないものもあります。

 そこで、ただし書きで、施行期日の例外を設けています。最初にきちんと読まなければならないのは、この部分です。

 たとえば、法人税のある施行期日の例外を読んでみましょう。

附則1条(施行期日)
 この法律は、平成20年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一〜四 省略
五 次に掲げる規定 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の施行の日(平成20年12月1日)
イ 省略
ロ 第2条中法人税法第2条第9号の次に1号を加える改正規定(以下省略)
ハ〜ト 省略
六〜九

 たとえば附則1条五号では、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の施行の日(平成20年12月1日)」を施行期日としています。その中のの部分に、法人税に関する例外の対象となるものが書かれています。

 この一般社団法人及び一般財団法人に関する法律による制度は、平成20年12月1日の前日までの間、この世に存在していない制度ですので、平成20年4月1日を施行期日にすると、平成20年4月1日から11月30日の間は、制度がないのに税法だけがあるというおかしな状態となってしまいます。そのため、このような例外を定めているのです。

 会社法や信託法のときにも、同様に○○法の施行の日とされていました。特定の日付を入れないのは、税法の法律案を作る時点で施行日が定まっていない場合もあるためでしょうか。

 なお、附則1条五号ロは、「第2条中法人税法…」という書き出しで始まりますが、これは、本則の第2条 法人税法の一部改正のことを指しています。

所得税法等の一部を改正する法律案
第1条 所得税法の一部改正
第2条 法人税法の一部改正
第3条 相続税法の一部改正
第4条 地価税法の一部改正
第5条 登録免許税法の一部改正
第6条 消費税法の一部改正
第7条 印紙税法の一部改正
第8条 租税特別措置法の一部改正
附則


 ところで、「施行日」と「施行期日」という似ている用語をあえて使い分けてきましたが、「施行日」は、平成20年4月1日のことだけをさしているのに対して、「施行期日」は、附則1条の本文とただし書きで見たように、複数の日があることに注意が必要です。

 附則2条〜8条は所得税法を中心とした規定なので、飛ばします。


 *関連記事*
附則:経過措置の原則
http://taxotak.livedoor.biz/archives/50596887.html
附則:経過措置の別段の定め
http://taxotak.livedoor.biz/archives/50596108.html


 *参考*
見落とせない附則:参議院法制局



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 また、関連法令は更新日の日付の時点のものを掲載しています。


双葉更新履歴
 [2008/02/04 初投稿]
 [2008/02/14 一部訂正]



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