2008年04月14日
なぜ「者」は「しゃ」、「時」は「じ」と読むのですか?
なぜ「者」は「しゃ」、「時」は「じ」と読むのですか?
意味が違う「もの」と「とき」があるからです。
「しゃ・ぶつ・もの」と「じ・とき」「者・物・もの」、「時・とき」は、法令用語の代表格です。
そして、専門学校などで勉強するときには、「者」は「しゃ」と読むように、「時」は「じ」と読むようにと言われます。
たとえば、「者」を「もの」と読んで覚えていると、誤って、「物」や「もの」と書いてしまう可能性があります。そうすると、意味が異なる可能性があります。
したがって、理論暗記をするときは、「者」は「しゃ」と読んで覚えた方がいいということになります。
日本語とは思えない「読み合わせ」
さて、このような読み方がエスカレートするのが、読み合わせのときです。
この法律において、ジの各号にケイげる用語の意義は、当該各号にテイめるところによる。
これは、法人税法2条の柱書きを読んだものです。
「次→ジ」、「掲げる→ケイげる」、「定める→テイめる」に対応しています。
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
読み合わせというのは、法律案などをつくるときに、文言が間違っていないかを確認する作業のことです。基本的には、一人が読み上げて、もう一人がそれを聞いて、新旧対照表などをじっと見て、誤りがないか確認しているようです。
日本語は、同音異義語がたくさんありますし、漢字仮名混じり文ですので、送り仮名も注意が必要です。
そのため、ふつうに読んでいては、「掲げる」と「掲る」などの区別ができないため、このような作業を行うのです。
「。」はマル、「、」はポツ、「・」は中(ナカ)ポツ
記号も重要です。特に「、」は、置く位置によって意味が変わることがあるため、その配置には慎重な配慮が必要です。そのため、読み合わせのときにも「ポツ」と読むことになります。
税法では多用されるカッコも、「()」は「カッコ・トジカッコ」、「「」」は「カギ(カッコ)・トジカギ(カッコ)」などと読まれます。
読み合わせの仕方については、各省庁ごとのローカルルールも存在するため、誰もが上記のように読むわけではないようですが、おおむねこんな感じということで、1つ読んでみましょう。
法人税法23条(受取配当等の益金不算入)
1字空け内国法人がジュけるジにケイげる金額カッコ外国法人ワカしくは公益法人等又は人格のない社団等からジュける第1号にケイげるものをジョくマル以下この条においてカギ配当等の額トジカギというマルトジカッコのうちポツ連結法人株式等カッコ連結法人の株式又は出資のうち政令でテイめるものをいうマル以下この条においてドウじマルトジカッコキュウび関係法人株式等のいずれにも該当しない株式等カッコ株式ポツ出資又は受益権をいうマル以下この条においてドウじマルトジカッコにケイる配当等の額の100分の50に相当する金額ヘイびに関係法人株式等にケイる配当等の額はポツその内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上ポツ益金の額に算入しないマル
耳で聞くものであって、目で見るものではないですね・・・。元の条文は、次の通りです。
法人税法23条(受取配当等の益金不算入)
内国法人が受ける次に掲げる金額(外国法人若しくは公益法人等又は人格のない社団等から受ける第1号に掲げるものを除く。以下この条において「配当等の額」という。)のうち、連結法人株式等(連結法人の株式又は出資のうち政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)及び関係法人株式等のいずれにも該当しない株式等(株式、出資又は受益権をいう。以下この条において同じ。)に係る配当等の額の100分の50に相当する金額並びに関係法人株式等に係る配当等の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
ちなみに、読み合わせをした後にキーボードをたたいていると、「ていめる」と入力してしまったりして、漢字変換してくれないので、笑うに笑えません…。
*参考*
Q6:「法制局読み」のことで教えて下さい。:会社法であそぼ
1字下ゲ、ダイニトウゴジョウ、・・・
この記事は調べものの参考になりましたでしょうか。
[2008/04/14 初投稿]


