2008年01月24日

間違い探し

Q. どう読んでもおかしい気がするのですが私が悪いのでしょうか?

A. 条文そのものが間違っている可能性があります。


自分のせいではないときもあります

 税理士試験くらい大雑把な範囲で暗記するのであれば、別にかまわないのですが、実務で生じた事例をもとに、法規集で条文を丹念に見ていくと、「ん? んんん?」なものに出会うことがあります。

 そういうときは、真面目な日本人ですから、「いやいや、これはきっと自分が悪いんだ。ちゃんと読めば意味が取れるに違いない。以心伝心味心・・・」と考えてしまうものですが、残念ながら、読めば読むほどわからなくなるときがあります。

 もう、解釈以前に、条文に何か問題がある可能性を考えるしかないですね。


どのような誤りがあるか

 一番わかりやすいのは、立法技術上の誤りですね。立法技術というのは、法令をつくる上での文法(ルール)にあたります。つまり、意味は通じても、なんか表現がおかしいなとネイティブは思うわけです。読む側にとっては些細な問題と思うかもしれませんが、「」の位置が変われば、意味が変わってしまうものもありますので、注意が必要です。


 また、怪しいのが、適用時期です。これは附則の世界ですが、最近は会社法や信託法など、大きな法律の改正等があるので、○○法の施行日を税法も施行日としています。時間という概念が加わりますので、重複や空白が生じていないか、見る必要があります。

 『改正税法のすべて』通達を読むと、○○○と書いてあるのに、実際に条文を読むとどうもそう読み取れる文言にはなっていない場合があります。じゃあどっちを信じりゃいいの、と聞かれたら、条文(法令)に決まっています。


条文の良し悪し以前の問題

 これらとは別に、理論的な誤りをあげておきましょう。これは、制度としてそもそもそのような考え方でよかったのか、という点での誤りです。

 その典型的な例は特殊支配同族会社でしょう。所得税法(給与所得控除)の問題を法人税法の問題としてすりかえている点は、誰の目にも明白です。

 また、そんな言語道断なものの他にも、それっぽく見えて、実は、理論的に矛盾が生ずるものもあります。

 条文をつくる側は、それが正しいと(たとえ確信犯だったとしても)考えて出しているため、それに反する行為をすると否認される可能性があります。これが最も厄介です。「これは誤りだ!」と声をあげなければ、そのまま続いてしまいます。

 では、「これは誤りだ!」と声をあげるのはいつでしょうか。


こんな法律に誰がした

 法律案は、内閣が提出するので、内閣法制局のチェックを必ず受けますが、国会を通りますし、財務省のホームページで詳細が公開されますので、国民の目に触れる機会はあります。しかし残念ながら、誤りを抱えたまま提出されたり、理論的に十分な議論がなされないまま、法律として成立してしまいます。

 国民の代表者の国会議員が国会で決めたから、国民にも責任があるという論拠を持ち出すこともできるかもしれませんが、少なくとも私は、そうは思いません。

 会計事務所にとっては、償却資産の申告書や法定調書の作成、12月決算や確定申告の準備が忙しい繁忙期の1月下旬から2月上旬に法案が提出され、審議されますが、税の誤りを指摘できる税の専門家が、おかしいところについて「おかしい!」と声をあげることができるのは、法案が通る前の、まさに今しかないのではないでしょうか。


(注) よく読めば他のところに書いてある場合や、自分が読み間違えている可能性もありますので、十分ご注意ください。

 

双葉更新履歴
 [2008/01/24 初投稿]



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この記事へのコメント

4. IKE    2008年01月25日 00:01
細かいところに、ツッコミをありがとうございます。
昔懐かしのCMですね(-人-)
3. IKE    2008年01月24日 23:59
がんばってほしいものですね。なむなむ(-人-)
2. 卯月    2008年01月24日 12:49
出ましたね、IKEさんの十八番(?)、「以心伝心味心」。

そんなIKEさんのカラオケの十八番はORNGE RANGEの以心電信?
1. DOOR5296    2008年01月24日 08:55
>税の誤りを指摘できる税の専門家が、おかしいところについて「おかしい!」と声をあげることができるのは、法案が通る前の、まさに今しかないのではないでしょうか

税の専門家が「おかしい!」と
↓のコメント欄で、がんばってますね。

とくに、あらと君。。。

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