2007年10月30日
応用編:強制的か選択制か(その3)
だから、どうしたのですか?
もう少し見てみましょう。
会計と税法がかけ離れています
そしてその認識できないもので影響が大きいものの代表格が、「(会計上の)退職給付引当金」です。退職給「与」引当金ではありません。
たとえば非適格合併が行われた場合、法人税法62条の規定により、時価で資産や負債を譲渡します。
このとき、退職に備えて、被合併法人で会計上、退職給付引当金として計上していた金額は、合併時に、会計上は合併法人に引き継がれますが、税法上は会計上の退職給付引当金は認められません。
引き継がれるものがあるとすれば、経過措置で認められている取り崩し中の税法上の退職給与引当金だけです。
しかしもともと退職給与引当金というのは、従業員が動いたから引き継がれるのが本来の姿で、適格だろうが非適格だろうが、ある程度の従業員が動けば、引き継がれるのが平成13年度の組織再編成税制創設時の考え方でした。
別紙一 引当金等の取扱い
http://www.mof.go.jp/genan13/zei001e.htm
そのため、平成14年度税制改正で退職給与引当金制度が廃止された後も、経過措置によって、税法上の退職給与引当金については、引き継ぎが認められていました。とはいえ、税法上の退職給与引当金はなくなることが前提のものなので、会計上と税法上で、どんどん差が生じます。
実務の世界では、その金額の大きいことから、どうにかしてほしいという声が上がっていました。
そこで、平成18年度改正では、会社法や企業会計上の取扱いと足並みをそろえるために、会計上の退職給付引当金を合併法人等で税法上でも退職給与負債調整勘定という名前で、認識してあげよう、ということになりました。
法人税法62条の8
2 内国法人が非適格合併等により当該非適格合併等に係る被合併法人等から資産又は負債の移転を受けた場合において、次の各号に掲げる場合に該当するときは、当該各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を負債調整勘定の金額とする。
一 当該内国法人が当該非適格合併等に伴い当該被合併法人等から引継ぎを受けた従業者につき退職給与債務引受け(非適格合併等後の退職その他の事由により当該非適格合併等に伴い引継ぎを受けた従業者に支給する退職給与の額につき、非適格合併等前における在職期間その他の勤務実績等を勘案して算定する旨を約し、かつ、これに伴う負担の引受けをすることをいう。以下この条において同じ。)をした場合 当該退職給与債務引受けに係る金額として政令で定める金額(第六項第一号において「退職給与債務引受額」という。)
ただし、「〜とする。」とあり、「〜できる。」とはいっていないことから、この要件にあてはまったときは、強制的に(退職給与)負債調整勘定を認識しなければならなりません。
また、「政令で定める金額」といっているので、法人税法施行令も確認してみましょう。
法人税法施行令123の10
7 法第六十二条の八第二項第一号に規定する政令で定める金額は、同号の内国法人の非適格合併等の時における同号に規定する従業者に係る退職給付引当金の額(一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて算定され、かつ、その額につき第九項に規定する明細書に記載がある場合の当該退職給付引当金の額に限る。第十二項において「退職給付引当金額」という。)に相当する金額とする。
このように、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて算定」とあることから、企業会計上の金額であることがわかります。
さて、制度の説明を聞いて、何か不思議な点はないでしょうか。
あれ?なんか引っかかりますね。
このままだと、重複しますよね。
解釈の5段階(応用編)
(その1) 適格があれば非適格もある
(その2) 主語に気をつけろ
(その3) 強制的か選択制か
(その4) 申告書を出す前に
(その5) パターン化してみると
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[2007/10/30 初投稿]


