2007年09月19日

GHQ占領下[昭和25年〜昭和35年]

第6期 シャウプ勧告と受取配当金益金不算入
  (GHQ占領下[昭和25年〜昭和35年])
1950/昭和25 シャウプ勧告に基づく税制改正
受取配当金益金不算入の創設
清算所得課税を一旦廃止し、株主段階での課税へ
超過所得課税を廃止し法人税率は35%へ
貸倒準備金の創設
収益事業課税とみなし寄附金制度の創設
青色申告制度の導入
青色欠損金の繰越控除(5年)、繰戻還付(1年)
朝鮮戦争が発生→朝鮮特需で経済復興へ
1951/昭和26 価格変動準備金、特別修繕引当金を創設
固定資産の耐用年数の全面改訂
税理士法の施行
サンフランシスコ講和条約を結ぶ
日米安全保障条約を結ぶ
1952/昭和27 法人税率を42%に引上げ
退職給与引当金の創設
1953/昭和28 外国税額控除制度の創設
個人株主課税の廃止と清算所得課税の復活
実質課税規定の整備
同族会社等の行為計算の否認規定
1954/昭和29 交際費の一部損金不算入制度の創設
1955/昭和30 法人税率を40%に引下げ
日米租税条約締結(二重課税の防止へ)
55年体制(自由民主党と日本社会党)
1957/昭和32 人格のない社団等に対する課税の創設
租税特別措置法の全文改正
なべ底不況
1958/昭和33 法人税率を38%に引下げ
神武景気
1959/昭和34 繰延資産の規定が施行規則に
役員の報酬・賞与等の規定が施行規則に
伊勢湾台風
災害による損失金の繰越控除創設
1960/昭和35 伊勢湾台風による甚大な被害により税制改正見送り


シャウプ勧告と税制改革

 戦後、GHQによりコロンビア大学教授のシャウプ博士を団長とする日本税制調査団が来日し、日本に大きな影響を与えるシャウプ勧告が行われました。それまで所得税は6つの所得区分にわけ、それぞれで分離課税を行っていましたが、できるだけ分離課税を排除して、総合課税を行うようにし、所得課税の簡素化を狙いました。

 法人税についても、法人は完全な納税主体ではなく、個人株主の集合体であり、法人税は所得税の前払い(源泉課税的なもの)であるという立場に立ち、個人と法人の課税の調整を重視した改正を行いました。

 1950(昭和25)年改正では、清算所得と超過所得に対する課税を廃止しました。

 具体的には、法人が解散した際にいったん清算所得課税し、さらに個人に残余財産の分配を行った場合に、個人段階でさらに課税をすることは煩雑として、清算所得課税を廃止し、個人側で課税する方式に改正しました。

 また、超過所得とは、もともと戦争による特需に通常以上の担税力を求め、累進課税を行うものでしたが、所得税の前払的性格を有するものに対して累進課税を行うことは適当ではないとされ、超過所得を廃止しました。

 これらにより普通所得が残り、税率35%の単一税率という簡素なものになりました。

 また、受取配当金の益金不算入制度も1950(昭和25)年に創設されました。法人が他の法人から配当を受ける場合においても、最終的には個人に配当を行うと考え、法人が受け取る配当金は益金不算入とすることとしました。

 1947(昭和22)年に創設された申告納税制度でしたが、当時は帳簿への記載があいまいであり、また、闇市など公開したくない取引も多く、帳簿や申告書を作成するよりも、税務署から認定課税をされたほうがましという風潮もあったことから、申告納税制度を推進するために青色申告制度が創設されました。

 きちんと帳簿をつけることにより、正確な申告を行った場合には、青色欠損金の繰越控除や繰戻還付などの特典を与えるというものでした。申告書の代表者・経理担当者の自署押印制度や申告所得金額の公示制度、利子税や加算税(過少申告加算税・無申告加算税・重加算税)制度もこの年に創設されました。

税理士の誕生

 1951(昭和26)年には、税理士法が施行され、税務代理・税務書類の作成・税務相談を独占業務とする税理士が誕生しました(前身は税務代理士)。申告納税制度を促進するために創設されたため、所得税・法人税・相続税などの国税と一部の地方税が業務の中心となっています。

清算所得の復活

 清算所得に対する課税は、個人の株式の譲渡所得に対する課税(残余財産の分配も対象だった)が廃止されたことを受け、1953(昭和28)年改正で復活しました。

 また、同年、戦後の企業の海外進出を受け、外国法人税と内国法人税の二重課税を調整する外国税額控除も創設されました。

 1959(昭和34)年に東海地方を襲った伊勢湾台風による被害は甚大で、復興策の1つとして、青色申告を行っていない場合も、震災、風水害、火災などの災害により生じた損失を5年間繰り越せるようになりました。なお、1960(昭和35)年の税制改正は、見送られることとなりました。


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