2007年07月02日

本則(総則、実体規定、雑則、罰則)と附則

骨組みは同じです

 税法に限らず、法令はある一定の骨組み(=構造)をもっています。内容に合わせて、そこに肉付けをして法令ができています。新しく法令ができたり、改正があったとしても、最近の法令であればほぼ同じ構造でできています。

それでは、法人税法を見てみましょう

 非常に大雑把に法人税法の骨組みを見てみると、次のようになります。

法人税法
 第一編 総則
 第二編 内国法人の法人税
 第三編 外国法人の法人税
 第四編 雑則
 第五編 罰則
 附則

 まず気づくことは、「法人税法」のように、法令には「題名」がついているということです。

 そんなの当たり前でしょう、とツッコミを入れたくなるかもしれませんが、昔(といっても戦前ですが・・・)はそうでもなかったようで、題名のついていない法令もありました。現在は、名前がついているおかげで、その法令を簡潔に言い表すことができますね。


附則とは何か

 次に気づくのは、最後に「附則」というほかと仲間はずれのものがあるということです。法律は「本則」と「附則」でできています。たとえるなら、タイヤキのあんこがつまった部分と、シッポの部分でしょうか。どちらも重要ですが、役割は違います。

法人税法
 第一編 総則
 第二編 内国法人の法人税
 第三編 外国法人の法人税
 第四編 雑則
 第五編 罰則

 附則

 第一編〜第五編となっている部分が、本則です。本則はその法令のメインの部分です。附則は、その法令をいったいいつから、どういう条件の時に適用し始めるかを表現したり、他の法令との調整をするためのパーツです。

 実際に法人税法の附則の第一条を見てみると、次のように書いてあります。

法人税法附則1条(施行期日)
 この法律は、昭和四十年四月一日から施行する。


罰則もあります
 それでは、本則の中身を見てみましょう。なんとなく仲間のように見えるのが、「則」「則」「則」ですね。

法人税法
 第一編 
 第二編 内国法人の法人税
 第三編 外国法人の法人税
 第四編 
 第五編 

 附則

 またタイヤキを例に出すと、総則はタイヤキの胴体を覆(おお)う皮の部分です。その法令全体に関係してくるようなルールをここであらかじめ決めておきます。たとえば、法人税法では、納税義務者や納税地、事業年度などを総則が教えてくれます。

 次に「内国法人の法人税」や「外国法人の法人税」はタイヤキのあんこの部分です。「○○則」という呼び方はしませんが、税法の中でも特に「いったい何をどうしたらいいのか」を具体的に決めているので、あえていうなら「実体規定」でしょうか。一番中身が濃いため、頻繁(ひんぱん)に参照する部分です。

 「雑則」は全体に関係のあるものの、総則に入れるほどでもない事柄(手続きなど)を含んでいます。また「罰則」は、「罰」という字のとおり、この法令のうち、ある規定に違反したときにどうなるかを表現しています。たまには、雑則も罰則も見てみると、新しい発見があるかもしれません。

 最後に、所得税法の構造も見て、まとめとします。

所得税法
 第一編 総則
 第二編 居住者の納税義務
 第三編 非居住者及び法人の納税義務
 第四編 源泉徴収
 第五編 雑則
 第六編 罰則

 附則

 第二編〜第四編の個々の名前は違いますが、税法の構造はほぼ同じですね。細かい規定を見る以前に、こういう法令の構造を自分の頭の中にしまいこんでおくことは、とても重要です。


 税法の総則は、第1条で「趣旨規定」を、第2条で「定義規定」が定め、第3条から具体的な取扱いとなることが多いので、まずはこちらを確認してみてはいかがでしょうか。

第1条は趣旨でできている(趣旨規定と目的規定)
http://taxotak.livedoor.biz/archives/50307840.html
第2条は定義でできている(定義規定)
http://taxotak.livedoor.biz/archives/50307077.html


 また、各条文を読む前に見ておきたいのが、「条・項・号」の区別です。
なぜ第1項がないのか(条・項・号)
http://taxotak.livedoor.biz/archives/50166783.html


 *関連記事*
税法の条文構造(法人税法を参考に)
http://taxotak.livedoor.biz/archives/50361670.html
附則の読み方(カテゴリ)
http://taxotak.livedoor.biz/archives/cat_10023252.html


 双葉更新履歴
  [2007/06/07 初投稿]
  [2007/07/02 改訂ver1.5]



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